みなさん、小学校時代に絵の具を使っていたことと思います。
ただ、最近の絵の具は、随分変化を遂げています。
今の小学生ってよい物に囲まれているんですねー。
とっても面白い絵の具事情
自分の子供の頃の絵の具と最近の絵の具とでは、色の事情や性能が変わってきていることに、しばしば驚きます。
絵の具セットの中に含まれる色のチョイスや色の名前の違いなど、「?」と思いつつ、「なんでかなぁ」と理由を考えていくと、「!」と気付き、面白さを感じてしまうのです。
なんといってもビリジアン!
今は、「みどり」と表記されているこの色。
私の子供時代には「ビリジアン」と絵の具に書いてありました。
子供ながらに「ただのみどりジアン」と思っていたのですが、なぜ昔は絵の具のみどりのことを「ビリジアン」と呼んでいたのでしょうか。
まあ、信号もみどりなのに「青」と呼んだり、昔の「みどり」には謎や広義の意味があったのかもしれませんが。。。
この「ビリジアン」。
スペルに直すと、[viridian]となります。
wikipediaによると、ビリジアンとは緑色の顔料のことであり、だから、絵の具の時のみ呼ぶのだということがわかります。
また、子供の頃、「ビリジアンを食べたら死ぬ」と噂がたっていて、私はその怪しげな名前に根拠もなく「そうに違いない」と、決して口にしないと心に誓っていました。
でも、どうやら、それは本当だったようで、水酸化クロムを含んでいて、有害なものだと、大人になった今、当時の根拠のない恐れは根拠があったことを確信しました。
今では、「みどり」となんだか健康でやわらかいイメージの名前に変更していますので、なんだかほっとしました。
消えた肌色
私の子供の頃は「肌色」がありました。
すごく便利な色で、使う頻度が高かったことを覚えています。
でも、今はないのです。
メーカーによるのですが、肌色自体がなくなっていたり、「ペールオレンジ」という名前に変わっていたりします。
どうやら多様性の時代に、いわゆる日本人みんなが思い浮かべる、共通の「肌色」というものはなくなったということなのでしょう。
ちなみに「黄土色」もメーカーによってあるものとないものがあります。
時代で色も変わってくるなんて面白いです。
朱色って?
私の感覚では、朱色は赤が少しだけ黄みを帯びた色です。
でも、今の絵の具には、私が見て感じる「オレンジ」に「しゅいろ」と書いてあるのです。
wikipediaによれば、朱色とはやや黄を帯びた赤色、赤とオレンジ色の中間色となっています。
うーん、いわゆる「オレンジ」を「朱色」と呼んでいいものかどうか、今では朱色はどうも腑に落ちない色になってしまいました。
そうそう、「朱肉」っていうじゃないですか。あれが「朱色」なんだけどなあ、私の中では。
突然現れた「あいいろ」
あれ?昔その場所には「むらさき」色があったような。
そうです。
突然出てきました「あいいろ」です。
メーカーによっては「ぐんじょう」色も登場してきます。
wikipediaによれば、「藍色」とは、紫がかった青のこととあります。
そして「群青色」とは、やや紫みを帯びた深い青色とあります。
え?じゃあ、一緒なの?
あいいろとぐんじょういろって。
いやいや、私の知ってる両者は、決して同じではないです。
だって24色の色鉛筆にありましたもん。
どっちも。
私、群青色の控えめだけどきれいな色彩に惚れ込み、よく使っていましたから覚えています。
私の思う「あいいろ」は、紫がかった深い青で、「群青色」は青より少し明るめの、空をイメージした青、でも落ち着いた色なのです。
決して同じトーンではないのです。
青ひとつとっても、こんなに奥深い。。。
絵の具の色ってこんなに深い物語だったなんて、、、
本当に驚きです。
結局のところ、「むらさき」は「赤」と「青」を混ぜればできてしまうので、混色しても難しい色を選んで12色に入れているのだろうなと私は考えています。
入れ物だって変わった!
私の子供の頃の絵の具は、アルミのチューブに入っていて、小さなプラスチックのふたがついていました。
容量も少なかったです。
よく、なくなった色の絵の具を単品で近所の文房具屋に買いに行っていました。
でも、今の絵の具はプラスチックの大きな容器で、ふたはパチンと開け閉めできるタイプです。
格段に使いやすくなっていますね。
そして、私の幼少時代の白色は大きなチューブに入っていましたが、今は、白色は同じサイズのものが2個入っています。
いろいろな場所に描ける!
昔の絵の具は水彩絵の具でした。
でも今の絵の具の主流はアクリル絵の具です。
成分が違うのですが、それによりアクリル絵の具は紙以外のペットボトルなどにも描くことができます。
今の子供たちは、色々なところに絵の具で彩色できて、きっと楽しいでしょうね。
絵の具の進化
今まで見てきたように、色の呼び方の違い、メーカーの選んだ色など、絵の具セットには不思議な発見がたくさんあります。
もし、お子さんの絵の具セットがあったら、どんな色が入っているのか、ぜひ見てみてくだいね。